変化 ~Let’s Enjoy the Change~
1. 参加者の意識変化を促す例会
1.これまでには無かった卒業式
1.地区大会に向けて小松島青年会議所との連携を深める合同例会
1.ブロック大会に向けての意識変化を促す例会
1. 参加者のマネジメント能力、管理能力の向上に繋がる例会
1. まちに変化を起こす青少年育成防災事業の開催
1. メンバー全員で取り組む会員増強(1人につき最低1人)
【はじめに】
自然豊かな徳島県南域を尊ぶとともに、この地に寄り添い長きにわたり、家族のため、社会のため、地域のため、熱い情熱を胸に時間と労力を費やし、歴史を紡いでこられた全ての先人たちに敬意と感謝を表します。
1958年、富岡町と橘町が合併し阿南市が発足しました。2006年には羽ノ浦町・那賀川町を編入合併し、現在県内2番目の人口規模となっています。
産業は竹林が多く、全国一のタケノコ生産量を記録しており、江戸時代にすでに、京阪神方面への出荷の記録も残されています。また、鉱工業にも恵まれ、古墳時代の全国唯一の辰砂採掘遺跡、若杉山遺跡があるほか、大正時代に市内各地で切り出された大理石は、大阪市中央公会堂や国会議事堂などに使われています。さらに、発光ダイオードの一大産地であることから、徳島県LEDバレイ構想の中心地と位置づけられています。
阿南市の南に位置する美波町は、四国八十八箇所霊場・薬王寺の門前町であり、趣のある街並みで新日本観光地100選に選ばれているほか、吹き筒花火で有名な赤松地区は、美しい日本のむら景観百選に選ばれています。
そこから南の牟岐町や海陽町は、サーフィンが出来る海岸が多くあり、県内外から大勢の方が訪れる事はもちろん、その波を目当てに県外からの移住者も多くいます。
また、阿南市の西に位置する那賀町は、地域おこしの新たなチャレンジとして、ドローンの特区認定を受けました。景勝地空撮や鳥獣被害対策に活用しているほか、林業における作業の効率化や、高齢者への宅配サービスなどの問題解決に期待が寄せられています。
このような軌跡、特徴を持つ徳島県南エリアで、私は1982年に生まれました。海、山、田畑に囲まれた家で育ったため、移ろいゆく四季の変化を色濃く感じてきました。春になると毎日食卓に並ぶタケノコ、家から徒歩10秒の海にダイブした夏、屋台や花火で賑やかだった秋の祭り、凍った溜池を横目に学校に通った冬の通学路。利便性こそ無かったものの、代わりに無邪気さと純粋さを育んでくれる町でした。
町は時間の経過とともに少しずつ姿を変えていきましたが、それでも今尚、私たちの安心で豊かな生活の礎となっています。
このような歴史を歩んできた中で現在、新型コロナウイルスが猛威を振るい、私たちの生活そのものが多大な影響を受けています。人的、経済的に受けたダメージは計り知れず、加えて、そのダメージは一時的なものではなく、これからの生活様式にも影響を及ぼそうとしています。
人間はこれまで培った経験や思考から導き出された習慣を簡単に変えることはできません。しかし、新たな経験や思考に気づき理解することで、行動することへの一歩を踏み出すことはできます。このような時代だからこそ、危機から学び、移ろいゆく日常から生み出される矛盾を、私達が一体となって紐解いていく必要があります。
温かいこの故郷を次世代に受け継ぐために必要なことは、変化であると考えます。過去の慣例や経験を踏まえ、良きものはしっかりと継承しながらも、それを絶対なものとはせず、現状に合った在り方を模索しながら、新たな一歩を踏み出す勇気と好奇心を携え、2022年度の運動を展開してまいります。
【阿南青年会議所の3つの変化】
1 組織形態
阿南青年会議所は毎年、まちづくり・ひとづくり・組織の3委員会で構成される事が多い団体です。近年、志を同じくする情熱に溢れた新たな会員が誕生し、若さと行動力が大きく加わりました。しかし、メンバーが卒業するに伴い、これまでの活動内容やその意味を理解する者が減少し、団体としての成熟度が低下しています。この様な現状においては、「明るい豊かな社会」を実現するための活動は不十分になると考えます。
従って今我々に必要なのは、これまでの対外的なアプローチではなく、阿南青年会議所メンバーに対してのひとづくりであると考えます。その手法として、組織とひとを統合し一つの委員会とし、組織運営を通じてのマネジメント能力のほか、スケジュールや予算に関する管理能力などを身に付け、メンバーの資質向上に努めます。同時に、委員会が受け持つ例会の数を増やし修練の場を設ける事により、ひととして、また組織としての成長の糧とします。
2 会員拡大
私たち青年会議所メンバーは、基本信条を「修練~個人の修練~」・「奉仕~社会への奉仕~」・「友情~世界との友情~」におき、20歳から40歳までの青年期において「明るい豊かな社会を築き上げる」ことを共通の理想とした運動を展開しています。これまで多くのメンバーが熱い思いとともに私たちが住み暮らすまちの輝く未来のために情熱を注いでまいりました。
しかし、現在、個人の価値観の変化、社会情勢の影響などから会員数が減少傾向にあります。これまで脈々と積み上げられてきた歴史は決して特定の一人が行ってきた結果ではありません。
私達は、まだ見ぬより多くのメンバーとともに、これからも様々な運動を展開し続けられるよう、私達が住み暮らす「まち」の明るい豊かな未来を切り拓いていきたいと考えています。今こそ力を集結し、協力して運動を展開することで、地域を変える大きな流れを生み出せると考えています。
メンバーの拡大のみを謳うのではなく、質的な環境を整えながら、持続可能な会員拡大活動を構築し、共に成長し合える同志と出会い運動を展開していくことは、即ち地域を豊かに変えることと確信しています。
3 各種大会を通じた主体性の確立
年に1回行われる徳島ブロック大会は、JC運動を発信するとともに、徳島県内の魅力を活かし、県民と県内各地会員会議所会員が徳島県の未来を創造する機会です。2022年度の第49回徳島ブロック大会における主幹LOMは、阿南青年会議所です。私達は主幹LOMとして、メンバーの成長と、地域への貢献を追求しなければなりません。
大会を通じ、メンバーの経験値と人的ネットワークを増やし、組織としての運動発信の力を強化し、徳島県南の魅力を市内外にPRすることにより、ブロック大会がもたらす効果を最大限追求していきます。
また、2022年は小松島で地区大会が開催されます。ブロック大会は県単位であるのに対し、地区大会は四国を一つの単位とした大きなものです。四国中の各地会員会議所メンバーが小松島の地を訪れる中、私達阿南青年会議所は、四国地区大会小松島大会を他人事とせずしっかりと協力し、大会が成功するようサポートします。
そうした中で、他LOMとの連携を深め、組織間の繋がり意識が醸成されることにより、メンバー個人の青年会議所活動に対する意識が変化し、阿南青年会議所が持続可能且つ、フレキシブルな団体として、地域に長く根付いていくよう変化させます。
【変化させるまちづくり】
2011年3月11日に発生した未曾有の大震災は、死者・行方不明者合わせ1万8千人を超える被害をもたらしました。地震により発生した津波は、人や家屋に留まらず、まちそのものを飲み込んでしまいました。
本来であれば震災から10年となる2021年は、日本各地で多くの復興イベントがあったと推察します。しかし、新型コロナウイルスの猛威は収束の兆しを見せず、節目の年の事業が見られないまま1年が過ぎ去ってしまいました。その様な中でも、徳島県の右下沿岸部に住み暮らす我々は、あの震災を風化させてはなりません。
国の地震調査委員会の研究では、南海トラフでマグニチュード8~9の巨大地震が今後30年で起きる確率は、70~80%とされています。この南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。
自分や家族、さらには地域の方々の命を守るためには、従来の防災訓練ではなく、防災意識の変化が必要と考えます。そのために、東日本大震災の被災地の青少年と徳島の青少年との交流を深める新たな青少年事業を行います。ターゲットを青少年とすることで、当時の詳細を知らない徳島県南域の若い世代の防災意識を高めると同時に、災害の記憶を継承しながら体験を広く共有し、未来へ継承可能な新たなまちづくりを目指します。
【さいごに】
世の中の全てのものは常に変化しその姿を変えていきます。それは即ち、永久不変なものはないということです。人しかり組織しかりまちしかり、それらは今を完成形とせず、時間の経過とともに新たな形を目指します。情報化社会が発達し、これまでに無かった多種多様な在り方や思考が溢れる昨今において変化しないということは、発展を放棄することと同義であると考えます。
冒頭に申し上げた通り、歴史を紡いでこられた先人たちに敬意と感謝を表しながらも、私達は時代の最先端に立ち、これまでには無かった新たな歴史を創り上げていかなければなりません。
時代の変化に飲み込まれるのではなく、その影響を受け止め自らも変化し、青年経済人として社会に貢献していこうという熱く滾る思い、そして果敢な行動力を携え、信念を以て運動を展開してまいります